" [Our favorite knit]ニットの基礎知識[植物性天然繊維の基礎知識]

植物性天然繊維について

やわらかく、やさしく、あたたかみのあるニット。身体のラインや動きに合わせて伸縮し、着ていてラクなニット。
ここでは天然素材の中でも、植物性天然繊維についての基礎知識をまとめています。

綿

綿はコットンとも呼ばれますが、家庭用品品質表示法では「綿」と表示することに決められています。 あまりにも身近に、そして豊富にあるだけに、その優れた良さを忘れられている繊維とも言えるのではないでしょうか。

綿の良さ

強くて丈夫、そして使いやすい
適度の強度があり、長く使っても丈夫です。
繰り返しの洗濯にも耐えられるため、衛生的で使いやすい繊維と言えます。

肌触りと吸湿性
1本1本の繊維に天然の撚りがあり、適度の弾力性がある為柔らかくさらっとした感触を持っています。
吸湿性も高く、よく水を吸うため、インナーやハンカチなどに最適です。

空気を含む中空
繊維の中心は中空になっているため、軽く、そして空気をたっぷりと含むため保温性にも優れています。

よく染まる
染料の染まり具合が良く、綺麗に染まります。

綿花の種類

綿の品質は綿花の繊維の長さをもとに5つのランクに分けられますが、その最上位に位置するのが「超長綿」。
超長綿は繊維一本一本が細く長い為、一般的な綿に比べよりキメ細かく密度の高い織り方ができます。

シーアイランド綿
カリブ海の西インド諸島に産し、世界最高ランクの綿花と言われています。
繊維が長く柔らかく光沢に富んでおり、細番手糸を作るのに適しています。
生産量も少ない希少性の高い素材です。

エジプト綿
ナイル河流域に産し、シーアイランド綿に次ぐ高級綿です。
繊維は細く長く、しかも強度もある為、細番手綿糸の原料として評価されています。

メキシコ綿
品種はアメリカ綿に属し、中番手綿糸用として重要視されています。

パキスタン綿
主としてインダス川の流域でとれ、短繊維で太番手綿糸用の原料となることが多いです。

綿糸の太さ(番手)

綿糸の太さは「番手」で表します。 綿糸1ポンド(453.6グラム)の長さが840ヤードある場合、これを1番手といい、長さがその2倍になれば2番手、3倍になれば3番手といいます。 したがって8,400ヤードある場合は10番手、84,000ヤードでは100番手ということになります。 番手数が大きくなればなるほど、糸は細く高級とされます。

単糸と撚り糸

1本のままの糸を「単糸」といい、単糸を2本以上撚り合わせたものを「撚り糸」といいます。撚り糸のうち、2本撚り合わせたものを「双糸」または「二子(ふたこ)」、3本撚りを「三子(みこ)」、4本撚りを「四子(よこ)と呼びます。 単糸を2本撚り合わせると糸の太さは2倍になります。 例えば、単糸20番手の糸の太さは40番手双糸と同じです。

麻は非常に個性の強い繊維で、長所と短所がはっきりしています。その為、好き嫌いが分かれますが、麻には麻の良さがあり、今でもなお根強い需要があります。

麻の良さ

非常に強い
綿よりも強く、張力ではリネンの場合綿の約2倍、ラミーにおいては約2.5倍もあります。

吸湿性と放湿性
吸湿性が高いので、水や汗をよく吸い取ります。
また同時に吸い取った水分をよく発散させるので蒸れにくいのが特長です。

涼感
繊維が太くて硬く、かつ熱伝導が良いので肌にひんやりとした感じを与えます。夏物衣料に適しています。

伸度と弾力性に乏しい
シワになりやすく手触りが硬く、ドレープ性が悪いです。また染めにくい欠点があります。

代表的な麻

麻は非常に種類が多く、繊維を茎や幹からとるもの、葉からとるものなどさまざまです。 衣料に使われるもので主な麻は「リネン」と「ラミー」です。

リネン
亜麻(あま)の茎からとった繊維。
麻の中では生産量も多く一番重要な繊維です。
麻の一般的な特性を持ち、衣料用としては混紡で使われることが多く、夏服地やサマーニットに使われます。

ラミー
ラミーは繊維としての性能は麻の中で最も優れているとされ、漂泊すると純白になり、精錬すると絹のような輝きがあるため「絹麻」とも呼ばれます。
強度も植物中最大級で、理念のおよそ1.2から1.3倍の強さを持っています。

絹(シルク)

昔ヨーロッパでは、絹1匁は黄金1匁と交換されたといいます。そうした絹へのあこがれが、東洋の絹を求めて、はるばると人々をシルクロードの旅につかせたのです。
美しい繊維を「シルクのように美しい」と称するのも、絹が「繊維の女王」たるにふさわしい美しさを持っているからです。

絹の良さ

優雅な光沢、美しさ
あらゆる繊維の中でもその優雅な光沢はトップクラス。染料の付きも良く発色も鮮やかです

細くてしなやか、そして強い
繊維が非常に細いため柔らかくなめらかな肌触り。
しかも強度がある為、組織の密な織物を作ることもできます。
また弾力性があり、手触りもやわらかです。

吸湿性
吸湿性も高く、さらっとした感触がありさわやかです。
繊維が太くて硬く、かつ熱伝導が良いので肌にひんやりとした感じを与えます。夏物衣料に適しています。

独特の絹鳴り
絹織物の密なものの中には、独特の絹ずれの音がし、これを絹鳴りといいます。

家蚕(かさん)絹と野蚕(やさん)絹

絹は大別して家蚕絹と野蚕絹の2種類があります。家蚕絹は文字通り屋内で飼われた蚕からとった絹、野蚕絹は野外の蚕からとった絹です。
一般的に絹という場合は家蚕絹を差すことが多いです。

いろいろある絹糸

生糸
ふつうの繭からとった糸で数本の繭糸を合わせたもの。
撚りも加えず精錬もしないものをいいます。

玉糸
ふつう蚕は1匹で1個の蚕を作りますが、中には2匹以上の蚕で1個の繭を作ることがあります。
これを玉繭といい、その糸を玉糸といいます。製糸のとき2本の糸がもつれあうので節の多い糸となり、節糸ともいいます。

絹紡糸(けんぼうし)
繭から生糸をとるときにできる副蚕糸(くず繭糸)を原料にして紡績した糸で、紡績絹糸ともいいます。
量も少なく一般にはあまり知られていませんが、主なものに富士絹や銘仙があります。

紡糸(つむぎいと)
屑繭からとった「まわた」を手で紡いだものです。糸にふしやむらがあって独特の趣があります。

絹撚糸(きぬねんし)
生糸に撚りをかけた糸です。セシリンを取り除いたあとの羽毛立ちを抑える程度の軽い撚りから、縮緬やしぼを出すだめの強撚糸などがあります。

野蚕絹(やさんけん)
主なものに中国タッサとも呼ばれる柞蚕糸(さくさんし)があります。

その他の植物性天然繊維

カポック

東南アジアに産するカポック樹の実からとった繊維。繊維内に大量の空気を含み、軽くて暖かく、弾性があります。

石綿

ある種類の天然石が二次的に変化して繊維状になったもの。
アスベストともいい、耐熱性が高く建築材料などに使われてきましたが、発がん性の危険があるため使用規制されています。

その他

椰子(やし)、棕櫚(しゅろ)、芭蕉(ばしょう)、い草など。

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