ニット用語(50音順)
引用:ニットウエア ハンドブック改訂版
あ行 | あ | い | う | え | お
か行 | か | き | く | け | こ
さ行 | さ | し | す | せ | そ
た行 | た | ち | つ | て | と
な行 | な | に | ぬ | ね | の
は行 | は | ひ | ふ | へ | ほ
ま行 | ま | み | む | め | も
や行 | や | ゆ | よ
ら行 | ら | り | る | れ | ろ
わ行 | わ | を
【か】
開反(かいたん)
丸編生地の一端を切り開いて反物にすること。
海島綿(かいとうめん、Sea island cotton)
最良質の綿花で、アメリカ東南部サウスカロライナ、ジョージアの南海岸にある島々に産する。 毛筋が長く、光沢も良く、繊細で、そろった点が優れ、平均1と3/4インチと言われ、中には2と1/4インチのものまである。 色は薄クリームから白色で、極細番手に用いられる。 格付けは①オーディナリー②コモン・ミディアム③グッド・ミディアム④ミディアム⑤ミディアム・ファイン⑥ファイン⑦エクストラ・ファインの7段階。
カウチン・セーター(Cowichan sweater)
カナダのカウチン・インディアンが着ていたセーター。 白またはグレー地に、黒のインディアン模様を編み込んだもの。 トラッド・セーターの一種だが、アウトドア人気の高まりなどによって、トレンド・アイテムとして注目されている。
かがり(Linking)
①布の裁ち目がほつれないように、布端に縫い糸やしつけ糸を一定方向に巻きつけること。
裁ち目かがり、穴かがりなどがある。
②ニットの「リンキング」のこと。手でかがる場合とリンキング機でかがる場合とがあり、リンキング機は、ダイヤル式とフラット式(八角式)がある。
ニットの身頃と衿、袖などのパーツの編目のループごとに縫い合わせる方法で、靴下の爪先かがりなども同じ。
鈎針(カギばり、Crochet hook)
手編針で、針頭がカギになった竹、金属、合成樹脂などで作った編針。 1本で編む針でレース糸用と毛糸用の2種類がある。 レース用は主に金属製で0号から14号まであり、号数が大きくなるほど細くなり、逆に毛糸用のものは0号から8号までで、号数が大きくなるほど太くなる。
鈎針編(カギばりあみ、Crochet)
鈎針によって作られる鎖編をいう。
カーゴ・パンツ(Cargo pants)
カーゴは「積み荷」のこと。 カーゴ・パンツは貨物船の船員が作業用にはくパンツで、両脇に大型のポケットがついたものをいう。
カシミヤ(Cashmere)
インド北方、カラコルム山脈西端南側のカシミール地方原産のカシミヤ山羊の毛。 チベット、イラン、中央アジア産で、剛毛を整毛作業によって除かなければならないため価格は羊毛よりかなり高い。 繊維は細く、長さは38~90ミリ、スケール(毛繊維を覆う鱗状のもの)は突出しているが、羊毛の半分しかないため強い光沢があり、滑らか。 可紡性に劣るため、細く柔らかいメリノ羊毛を10~50%混紡して高級ニット糸とする。
※参照 ⇒ 素材の基礎知識(動物繊維)、カシミヤ
カジュアル・シャツ(Casual shirt)
紳士のドレスシャツ(いわゆるワイシャツ)や婦人のブラウス以外の、日常着として着られるシャツのことで、布帛シャツ、ニットシャツの広い概念を含む。 ただし、ポロシャツなどのかぶり物とは区別して、前開きシャツのことを指す。
カーゴ・パンツ(Cargo pants)
カーゴは「積み荷」のこと。 カーゴ・パンツは貨物船の船員が作業用にはくパンツで、両脇に大型のポケットがついたものをいう。
片畦編(かたあぜあみ)
2列針床の横編機の片側の下げカムのうちの一つをタック位置にして編んだ片面タックのゴム編の変化組織。 ハーフ・カーディガン(half cardigan)、ロイヤル・リブ(royal rib)とも言う。 一往復する間に一方の針床では2コースの編目が作られるが、もう一方の針床ではタック編が行われるので1コースだけの編目が作られる。 片側だけ横方向の畦が出来、厚手で弾力性に富む。
片袋編(かたぶくろあみ)
ハーフミラノともいう。2列針床の横編機、または丸編機で作られる組織である。 1コース目はゴム編、2コース目は片側針床のみ平編の繰返しで作られる。 平編をした側は、わずかによこ畝が現れるので、表裏の区別ができる。 一般にはコース方向(よこ方向)の伸縮が少ないが、伸縮糸を使用すると伸びが大きいのでインナーに多用されている。
ガーター編(Garter knitting)
手編の編目の作り方で、横方向に表編と裏編とを交互に編んだもの。 従って、経の方向に伸びのよい編み方をいう。 手編の基本編はメリヤス編、ゴム編、ガーター編である。
カット&ソー(Cut&sewn)
ニット機会で編み流された生地(ジャージー)を型紙を使って裁断、縫製して仕上げた製品のこと。
カット&リンキング商品(Cut&linking)
カットソー商品のうち、リンキング・マシンで縫製したものを指す。
カップ・シーマー(Cup seaming machine,Selvage seaming machine)
一般のミシンの針床の代わりに、一対の円板で縫い合わせる部分の縁端を挟んで生地を送る装置がついているミシン。 生地を送りながら耳部を環縫いするもので、縫い糸は水平に作動し、ルーパー糸は1本のものと2本のものがある。 フルファッションセーターの袖縫い、脇縫いなどに使用され、まつり縫いミシンともいう。
カーディガン(Cardigan)
ニットのうち袖つき前開きの中衣の総称。 外衣としても着られ、ジャケットの部類に入れられるものだが、芯地などの付属を使ったり、スーツのように編み込んであるヘビーなものとは区別させる。 あずま衿(Vネック)、ラウンドネック(丸首)が代表的で、袖丈は特殊なものを除いてほとんどが長袖。
カーディガン・スーツ(Cardigan suit)
ニットによる外装的な洋服(ニットドレス)の形状的な分類の一つで、衿なしでV首、丸首などカーディガン風のネックラインおよび前打合せをもったジャケットとスカートとの組み合わせ。 カット・ソー、カット・アンド・リンキング、ファッショニング商品など製法は様々で、特にミセス向け商品として作られることが多い。
カーテン・レース(Curtain lace)
経撚りネットを基礎としたカーテン専用機で作られる窓掛レース。 日本ではジャガード・ラッシェル機によって作られるものが多い。
カード糸(Carded yarn)
コーマを通さないで作った糸。大部分は綿糸。梳綿糸ともいう。短繊維である綿繊維の不純物をカード機で除去した不均整な綿糸。 コーマ糸に比べ、美しさ、光沢、均整さ、強さなどで劣るが、大部分の綿糸がカード糸。
ガードル(Girdle)
女性用ファンデーションで、ウエスト、ヒップ、太もものラインを補正し、下半身のシルエットを美しくすることを目的としたもの。
鹿の子編(かのこあみ)
緯編の変化編の代表的なものの一つ。 編針の動きを制御するカム操作でニット(ループを作る)とタック(縦方向、横方向に編目を飛ばしてループを作る)を組み合わせた編み方。 タックの仕方によって、①鹿の子②並鹿の子③総鹿の子が作られる。 タックさせる位置によって細かなメッシュや大きなメッシュなど多彩な柄編ができる応用範囲の広い編み方。
カバリング(covering)
ストレッチ素材のうち、ポリウレタン弾性糸(スパンデックス)を芯糸にして、その周囲に他の繊維を巻きつける方法。 特にナイロンを巻きつけたストッキング用のSCY(シングル・カバリング・ヤーン)、DCY(ダブル・カバリング・ヤーン)で普及し、綿、毛の短繊維でカバリングするものなどにも用途が広がっている。
※参照 ⇒ 化学繊維の基礎知識、ポリウレタン
カーフ(Calf)
子牛(カーフ)の皮のこと。きめが細かく、しなやかで、しかも丈夫なことが特徴。 主にバルト海沿岸地方で産出する。ハンドバッグ、靴などのほか、アクセサリーにも使われる。 皮革手袋に使う場合、最高級品では1双分しか採れない胎児のものを使用することもあるが、普通は幼牛の皮を使う。
カム(Cam)
針の動きを制御する装置。一列に並んだ針が糸を捉えながら編む際、針の動き方には、ニット(ループを作る)、 タック(針が糸を抱えたまま編目を飛ばしてからループを作る)、 ミスまたはウエルト(ループを作らない)の3つのポジションがあり、カムはこの針の出し入れを制御する。 主に、横編機の針床を往復するキャリジにダブル・カム、トリプル・カムなどで組み込まれている。
ガーメント・セーター(Garment sweater)
ガーメント・レングス機で編んだセーター。 普通の長し編機を用いたセーターと異なり、連続して編まれたゴム地が裾や袖口についているのが特徴。 身頃には両面編、天竺編が主に使われるが、ジャカード柄を用いたものもある。
ガーメント・レングス(Garment length)
肌着・外衣を問わず、1人分の身丈を区切って編む緯編の方法。 流し編は後で製品の形に応じたパーツに裁断するが、ガーメント・レングスは裾部から編み始め、身頃部分に目移し柄、編み模様などを入れ、1人分の身丈で編成を終える。 通常、袖付け部分や首回りの成形は行わない。 裾がゴム編の時は、身頃は平編か両面編の編組織に変えたり、 ゴム編を続ける場合は針組を変えたりする。
柄編(がらあみ、Pattern knitting)
基本編地に変化柄を応用して柄を編成すること。 横編、丸編生地では①色糸によるもの②変化編組織を施すもの③針抜柄④色糸と変化編、針抜きの混合柄などがあり、経編生地では1枚、2枚、3枚筬(おさ)の編地の整経方法を変え、色糸を用いて柄編をし、靴下などは変化組織柄糸を入れる特殊編成機を用いる。
空環(からかん)
オーバーロック・ミシンで、ミシン糸だけで作動させたときにできる鎖状の輪。 本縫ミシンが糸の交差で縫い目を作るのに対し、縁縫いに使われるオーバー・ロックミシンは糸を円環状に引出し生地の表裏をくるみ込みながら縫い目を作る。 このため生地のない状態で作動させると本縫いミシンでは不規則にほつれ(通称「鳥の巣」)、オーバーロック・ミシンでは規則的な鎖状の紐になる。 縫い始め、縫い終わりのほつれ防止の役割がある。
仮撚り(かりより、False twist)
糸の加工方法のうちテキスチャード加工の一種。 合成繊維の熱可塑性を利用した糸で、加熱しながら熱セットし、巻き取りながら自然に解撚する。 連続的に行うため、加工能率が良く、均一、緻密にできる。 解撚後、糸に緩みを持たせ、再度熱セットし、ほとんど撚りのない(ノントルク)糸を作る改良仮撚法もある。
カルソン(Calecon 仏)
カルソンとはフランス語で「パンツ」の意。 ズボン下、半ズボンを言う。ファッション用語ではスパッツ調のパンツを指す。 ジャージー素材が中心だが横編もある。 ザックリしたセーターやジャケットとの組み合わせはその非対称が新鮮で、気軽なおしゃれとして人気がある。
ガーンジー(Guernseys)
ジャージーにほぼ同様で、ニットのプルオーバーシャツないしセーターのこと。 元来はガーンジー島の船乗り用のニットを指し、最初は密に編まれた天竺編の丈夫なハイネック・プルオーバーが大半を占めていた。強情は1490年代。
閂止め(かんぬきどめ)
縫い端などほころびやすい個所を丈夫にするための止め縫いのことで、略して「かんどめ」と言うこともある。 ポケット口、パンツの小股、脇開きなどほころびやすい所を止める。